2.バズマーケティング急伸の背景
2009年6月10日
弊社の場合、300社ぐらいのお取引があるのですが、多くの大手の広告主がこのバズマーケティングを活用されています。2~3年前であれば、テスト マーケティング的にやってみたいといったレベルでのお問い合わせはありました。しかし、ここ半年ぐらいを見ると、かなり多くの大手の広告主が活用されるよ うになってきています。
■CGMの広がり
これにはどういう背景があるかというと、今、広告業界は成熟期もしくは過渡期に入っているといえます。この前も某新聞社の方とお話しする機会があったの
ですが、10年ぐらいの間に発行部数が3分の2に減ってしまい、広告収入に関しては、3分の2になると単純にリーチ数が下がるので、広告が半分ぐらいしか
入らないと嘆いていらっしゃいました。これはメーカーからすると、これまではマス広告だけやっていれば成功できたところから、そうではなくなってきている
といえます。
その中で、インターネットが唯一、利用者がどんどん伸びているので、そこに広告費が流れているという現状があります。今、インターネット広告費が雑誌広告費を抜いて、今テレビ、新聞の次となっています。
10年ほど前までは、情報や文化・流通・消費というのは全てマスメディアからトップダウンで降りてきて、それを享受するという一方通行で行われて いましたが、メディアの環境が大きく変化していくなかで、現在では、インターネットが充実してきて、mixiのようにmixi編集部が作るコンテンツより も、消費者が作り出すコンテンツの方が圧倒的に多いというメディアも多くなってきています。
このようにインターネットの中でもCGMの市場が伸びているのでインターネット市場全体を牽引しているという局面もあるように思います。そこで利
用者がどれぐらいいるかということを最新のデータで読み解いてみたいのですが、ブログの訪問者数は2007年に3500万人、1年間で倍ぐらいになってい
ます。ここが結構重要で、始まった当初はブログだけ、SNSだけ、あるいはYou
Tubeだけ見ているという人が多かったのですが、その全て、要はCGM全般的に利用しているユーザーがその半分近く、1690万人になっており、CGM
自体がそれぞれ独立しているのではなく、メディア全てを使っている方がかなり増えているという認識でいいかと思います。
SNSはmixiの一人勝ちです。2007年で2100万人、今は3000万人近くいると思いますが、前年度比で145%の成長を示しています。動画共
有サイトもかなり伸びていて、1年間の推定訪問者数は2431万人となっています。You
Tubeなどが話題になり始めた2006年は1127万人だったのが、1年間で倍以上に訪問者数が増えています。また、1回訪問しただけではなくて、訪問
者1人当たりの月間ページ数がなんと2.4倍、滞在時間も2.1倍になっているということから、動画共有サイトに関しては単純に1回見に来て終わりではな
くて、かなりリピートして使いこなしている媒体になってきているといえます。
■「Myニッチメディア」
このようにメディアの環境が変化しCGMが伸びている中で、生活者がこの数年、本当にまれに見るぐらい大きく変わってきています。これは多分皆さんも
感じられているところかと思います。過去10年前は、情報の取得は特定のマスメディアに限られていました。お茶の間はテレビに釘付けで、購買前の情報は限
られていて、あえて言うなら井戸端会議や学校などリアルなコミュニティの中で形成されていました。新聞と朝のニュース番組は情報源として必須であり、コ
ミュニケーションの手段は「会う」のが基本でした。
そこに携帯電話が登場し、インターネットが普及してきて、情報の取得は「Myニッチメディア」になりました。つまり当然マスメディアもあります が、若年層ほど友達や知人としゃべっていても、自分のニッチメディアを持っている方がかなり増えてきているという印象があるのです。例えばエンジニアの方 だと、基本的にエンジニア系が読む雑誌よりも、インターネットの専門コミュニティの中で情報交換する方が情報の取得レベルが高いとか、一番大きいのは、 トップダウンで情報を得ても、それが本当に価値ある情報か、信じられる情報かを自分で取捨選択するようになっています。
無視できないのは、モバイルの消費時間は平均1日3時間ぐらいあり、今は携帯とPCとテレビのダブルスクリーンやトリプルスクリーン状態になって います。認知がすぐに購買に結びつく商品だと別なのですが、価格が高かったり、価格比較が必要であったり、競合商品が多いモノだと購買前に慎重にネット検 索をするようになってきています。当然ビッグワードと言われるようなワードだけではなくて、自分に必要なニッチワードで検索して、必要なだけ情報収集をし て、自分の中で腹落ちして購買に移るということが当たり前になってきています。
■飽和状態の情報環境
このようにバズマーケティング、クチコミマーケティングは非常に重要になってきたわけですが、法務省が2008年に発表した、平成17年度情報流通セン
サスで、平成7年の情報量を100とした場合に、情報の提供量と情報の消費量はどのぐらい変わってきているかを分析しています。それを見ると、10年たっ
てインターネットなどのメディアが多様化し、情報の消費量自体も増え、平成17年には1312と13倍になっています。一方で情報流通量を見ると、情報が
雨のように降り注いでいる状況があり、これがどれぐらいに膨れ上がっているかというと、41030ぐらいになっています。つまり、情報の提供量自体は
410倍になっているのですが、情報の消費量は13倍にしかなっていない。ということは、全ての情報のうち3~4%しか現状で消費されていなくて、あとの
97%は見られもせず捨てられているということが一番大きな課題になっているかと思います。
その点からも情報は明らかに飽和状態にあるわけです。情報を提供する側も、いかに消費者に受け取ってもらえる、しかもそれを消費してもらえる情報としてより精度を上げていくかということが非常に重要になっています。
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